「見出し」の役割

前々回前回のブログで、文章構成には「起承転結」「序破急」があることをご説明しました。
これらは、文章中の物語の流れを表すものです。

これらの文章は、同じテーマを持つものが集まって「節」というグループを構成し、その「節」がいくつか集まって「章」になります。
章をいくつかまとめたものは「部」と呼びます。
これらは総称して「見出し」と呼ばれます。
見出しは、テーマや内容毎に区切って、本全体の構成を分かりやすくする役割があります。

具体的にどのように見出し構成を考えるか、実際に自分史で用いられた構成を例にします。

この自分史では、「歌集」と「自分史」を両方掲載したいというリクエストがありました。
前半に長年書き溜めた「歌集」を、後半は自分史という2部立てになります。

まず歌集は、季節を詠んだ作品が多いことから、四季に分けて掲載しました。
一方自分史は、時系列順に並べることになりましたが、大きな区切りとして、幼少期・青年期・戦後期・高度成長期・近況に分けました。 

先程の「部、章、節」にあてはめると、次のようになります。

 

第1部 歌集

  第1章 春(発表順に並べる)

  第2章 夏(発表順に並べる)

  第3章 秋(発表順に並べる)

  第4章 冬(発表順に並べる)

 

第2部 自分史

  第1章 幼少期

    第1節 出生

    第2節 両親のこと

    第3節 学校生活のこと

  第2章 青年期

    第1節 徴兵検査合格

    第2節 満州に赴任

    第3節 戦地での生活

    第4節 終戦、引き揚げのこと

  第3章 戦後期(引き揚げ後就職~独立~結婚まで)

    第1節 戦後の生活

    第2節 仕事のこと

    第3節 結婚のこと

  第4章 高度成長期

    第1節 長子誕生

    第2節 大阪万博の思い出

    第3節 子供の結婚、孫の誕生

    第4節 現役引退

  第5章 近況

    第1節 最近の生活

    第2節 趣味のこと

    第3節 孫のことなど

 

この様にテーマごとに区切ることで、その節や章で読み手に何を伝えたいのか、スッキリと整理することができます。

あくまでひとつの例ですが、自分史を時系列に並べる際のご参考になれば幸いです。