【洛中徒然(5)】お正月と日の丸の旗

お正月や祝日などの「旗日」に日の丸の旗を門に立てている家を見ることも少なくなりました。
これは伝統文化が色濃く残る京都でも例外ではありません。
目に付くのは一部のタクシーがバンパーに日の丸の旗を付けているくらいでしょうか。

年配の方にお話を伺うと、国民学校(当時の小学校)では、唱歌の授業で『日の丸の旗』を歌い、国旗掲揚台に向かって最敬礼をしたといいます。
この歌は現在でも文部省唱歌として小学校の音楽の授業で歌われていますので「白地に赤く 日の丸染めて……」の歌詞を覚えておられる方は多いと思います。

日の丸のデザインは、平成11年に施行された「国旗・国歌法」で定められ、正確には「日章旗」と呼ばれます。
その意匠は「旗の形は縦が横の3分の2の長方形。日章の直径は縦の5分の3で中心は旗の中心。色地は白色、日章は紅色」と定められています。

日本でこの旗を用いるようになった経緯には諸説ありますが、一説には「源平合戦」の際に源氏が旗印として用いたことに由来するといわれています。
以来、源氏の末裔を名乗る戦国武将は、必ず旗印に日の丸の幟を用いたそうです。

明確に日本の国旗として用いられたのは18世紀末ごろ、ロシアの南下政策に対する警戒のために出させた御用船に日の丸を施した旗を使用したことが、国旗として用いられた始まりのようです。

第二次大戦後、連合軍総司令部の指示により、公共機関や家庭での日の丸掲揚を禁止した時期がありましたが、昭和24年9月にはその禁が解かれました。

法律で日本の国旗に定められたのは平成11年ですが、実に千年以上の昔から日本を象徴する旗として用いられたことになります。
これほどの長きにわたって使われ続けたデザインは他に例を見ません。

3年後の2020年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
出場されるアスリートの皆さんのご活躍によって、多くの「日の丸」が掲揚されることを願ってやみません。

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