写真集/画集
画や写真には、文章とはまた違った伝達力があります。たとえ文章で伝えきれないことでも、1枚の絵や写真が雄弁に物語ることがあります。
例えば滞在記や体験記などの場合も、写真や絵を主体にすることで文章とはまた違った作品に仕上がります。
水彩画や油絵、イラストを趣味とされる方、あるいは写真を趣味とされる方は、自分の作品を画集や写真集としてまとめられてはいかがでしょうか。
使用する印刷機
弊社では、印刷部数や求められる品質に応じて、印刷する2種類の印刷機を使い分けています。
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① オンデマンドプリント業務用プリンターで、少部数対応に優れています。割高になりがちな少部数のカラー印刷で、コストを抑えることができます。
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② オフセット印刷多部数に適し色の再現性にも優れています。仕上がり色を確認するには試し刷り(本機校正)を行う必要があります。
写真集/画集の仕様について
写真集の原稿づくりは、前もって本の大きさや全体のページ数を含めた仕様をお決めになられることをお勧めします。先に全体の完成イメージを定めることで、この後の原稿作成が進めやすくなります。
ページ数
撮り溜められた写真の点数は膨大な数と思われますので、仕様を決めずに写真の選別を進めると「あれも載せたい、これも載せたい」となり、ページ数が増えてしまいがちです。
最初に「何ページの写真数にする、掲載写真は何点にする」と、全体の大枠を決めておくすることで、数多ある作品のなかから掲載写真を絞り込みやすくなります。
大きさ
画集や写真集をお考えの場合は、本の大きさにひと工夫が必要です。
一般的な画集や写真集は、B5判やA4判で作られることが多いのですが、気軽に手に取ることができる本を目指すのでしたら、A5判やB6判など、文字主体の冊子でよく用いられる大きさで仕上げるのもひとつの方法です。
北斗書房では、「正方形の本」をお勧めしています。縦長・横長どちらの絵や写真であっても、収まり良く仕上げることができるからです。
用紙
写真集や画集の場合は、コート紙・マットコート紙が適しています。どちらの紙も、表面に白色顔料を塗って滑らかに加工した紙です。
表面に光沢があるものをコート紙、表面にツヤ消し加工を施したものをマットコート紙と呼びます。白色顔料を塗るのは、インクの発色を良くするためで、写真集や画集の本文用紙によく用いられます。
色校正について
制作の流れでは、一般的な文字校正とは別に「色校正」を行います。色校正は、実際に試し刷りを行う本機校正と、専用のプリンターで行う簡易色校正(プルーフ)の、2通りがあります。
再現の正確さやコストで特徴がありますので、どちらの方法で色校正を行うのかは、事前に打ち合わせを行います。
カラー印刷の発色について
カラー印刷は、インクの三原色である紅(シアン)・青(マゼンタ)・黄(イエロー)と、黒の4色で印刷します。一方、パソコンやカメラのモニターは光の三原色であるR(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)を用いて表現します。
例えば写真集を制作する場合ですと、次のような流れになります。
- 1.作品をデジタルカメラで撮影(RGB)
- 2.パソコンでデータをチェック(RGB)
- 3.印刷会社で制作(RGB→CMYKに変換)
- 4.印刷(CMYK)
印刷用は色の三原色+黒(CMYK)を用いますので、光の三原色であるRGBのままでは印刷できません。そのため、3の工程でRGBからCMYKに変換します。デジタルカメラやパソコンのモニタで見た色調と、印刷機で印刷した色調が異なる理由はここにあります。
上の図は「人間の眼が認識できる範囲」「RGBで再現できる範囲」「CMYKで再現できる範囲」を表したものです。ご覧のとおり、RGBとCMYKでは表現できる色の領域が異なります。人間の眼で認識できる色の範囲が最も広く、その次に範囲が広いのはRGB、CMYKはほとんどの部分でRGBの再現域より狭くなります。
RGBからCMYKに変換する際に、CMYKの再現域を超えた色は、CMYKの再現域で最も近い色に置き換えられます。
RGBで撮影された写真と、CMYKに変換されたものを比較してみます。CMYKの方が色の再現範囲が狭いため、RGBと比べると少し色調がくすんだような印象を受けます。
この違いを、本番の印刷前にチェックするのが「色校正」になります。