• 新説 宮崎友禅斎の出自と生涯 -京都のアフリカンプリント・明治期の会社から迫る-

  • 分類歴史・社会・教育

本書は、アフリカンプリントの製造から始まった調査が、意外にも宮崎友禅斎の生涯と京都の近代化の歴史を解き明かす壮大な物語へと発展した、画期的な歴史研究書です。

京都・梅宮町の日本捺染会社(現華頂短期大学校舎)を起点に、友禅染の発展と京都の近代産業化の軌跡を丹念に追跡。奥州や関東から京都に移住した山本・野村・野辺地・名取らの製糸業、地元の松本・藤本・稲畑・村井らの財界人、そして近江商人の藤井・広瀬らの活動を通じて、明治維新後の京都がいかにして近代都市へと変貌したかを鮮やかに描き出しています。

特筆すべきは、東洋紡・鐘紡・住友化学・日本新薬・大和証券・朝日生命など、現在も続く大企業の源流が、丸太町通を中心とした岡崎・粟田口地域に集中していたという驚くべき事実の発見です。これらの企業と創業者たちの足跡を、現存する近代建造物や史跡とともに具体的に示し、「明治期京都の近代化が凝縮された地域」として再評価しています。

宮崎友禅斎の寓居地から始まった調査が、善光寺との関係、友禅染の技術発展、そして京都全体の産業史へと広がる構成は、まさに歴史の糸を丁寧に紡いだ労作といえるでしょう。京都を訪れる人々にとって、観光だけでない深い歴史的理解をもたらす貴重な一冊です。

分類
歴史・社会・教育
表題
新説 宮崎友禅斎の出自と生涯 -京都のアフリカンプリント・明治期の会社から迫る-
執筆者
竹内 秀夫
版型
A5
頁数
318頁
発行日
ISBN
ISBN978-4-89467-523-0
価格
3080円(税込)