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先斗町地名考 ポントの謎を解く
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分類趣味・実用書
― 『広辞苑』の「ポント」の語釈に採用された新説 ―
「先斗町」―ちょっと不思議な語感のこの地名、なぜ「先斗」と書いて「ポント」と読むのでしょうか。
通説では、ポントはポルトガル語のpontoから来ており、「先端」「洲崎」の意味であるとされています。
本書はそこに大胆なメスを入れます。
鍵を握るのは、江戸前期、先斗町が新開地として誕生した当時に流行していたカルタ賭博と談林俳諧。
大阪外国語大学でスペイン語を専攻し、メガバンクでの長年の欧米駐在や我が国初の『スペイン語大辞典』執筆の経歴を持つ著者が、文献の博捜と綿密な考証の末に辿り着いた意外な結論とは?
まるで推理小説を読むようなスリリングな一冊です。
- 分類
- 趣味・実用書
- 表題
- 先斗町地名考 ポントの謎を解く
- 執筆者
- 杉本 重雄
- 版型
- 新書判
- 頁数
- 166頁
- 発行日
- ISBN
- 978-4-89467-293-2
- 価格
京都「先斗町」の呼称については、「先・先端を意味するポルトガル語のポントに由来し、それが、もと洲崎であったこの地に付けられた。」というのが今日の通説となっており、多くの京都本や地名解説書はもとより代表的な国語辞典などにも広く採用されています。
しかし著者は、ポルトガル語で「先・先端」を意味する語はpontaポンタであってpontoポントではないという理由からこの通説に疑問を抱き、多方面の情報を駆使してポント(先斗)という語の意味と語源、延いては「先斗町」の由来の解明に取り組みました。
本書は、ポントという語が登場している井原西鶴の作品など江戸時代の文献資料に基づく考証とポルトガル語解釈の再検討の結果、著者が独自の新解釈に至るまでの道筋を追った知的探検記です。
※本書は2013年刊『ポントを解く 京都「先斗町」地名考』の改訂版です。
ポントとはポルトガル語で先・先端の意味?
「先斗町」は先端・洲崎の町?
命名したのはポルトガル人?
いつ頃からポントと呼ばれた?
ポントを何故「先斗」と書く?
「首斗」や「尻無」という字を何故ポントと読む?
ポントの本当の意味と語源は?
江戸時代の文献資料に基づく考証とポルトガル語解釈の再検討により、ポントという外来語と「先斗町」の地名の謎に迫る。
第一章 ポントに関する諸説
一 京都本の解説
二 大正末期の議論
三 新村出「ぽんと町称呼考」
四 松田修「ポント考」
五 辞典の記述
六 古典作品の解釈
第二章 カルタの伝来と先斗町の形成
一 カルタの伝来
二 先斗町の形成
第三章 文献に現れたポント
一 『本朝二十不孝』
二 『鹿の巻筆』
三 『御前義経記』
四 『西鶴評点湖水等三吟百韻巻断簡』
五 『近来俳諧風体抄』
第四章 ポントを解く
一 ポントの語義
二 ポントの語源
三 「先斗町」の由来
四 各説の検証
おわりに
ポント(先斗)関連年表
参考文献