• 釈迦の思想

  • 分類歴史・社会・教育

仏教とは一体どのような宗教なのでしょうか。それを自分なりに分かりやすくまとめてみようと思ったのが、この本を書く動機になりました。

分類
歴史・社会・教育
表題
釈迦の思想
執筆者
松岡 一彦
版型
四六版
頁数
146頁
発行日
ISBN
ISBN-4-89467-136-0
価格
1500円+税

仏教とは一体どのような宗教なのでしょうか。

それを自分なりに分かりやすくまとめてみようと思ったのが、この本を書く動機になりました。

仏教の源泉の地、インドはゼロという数字(概念)を考え出した土地です。

「空の思想」が仏教の根幹にあると考えますが、それは、このゼロの概念と通じるものがあるように思われます。

「空」とは何か、それは本書の潜在的な重要なテーマであります。

仏教の本質に触れることができれば、仏教だけではなく、多くの宗教が形骸化し、ときに政治化し、世俗化している現象の底の部分が透けて見えるはずだと思います。

目次

はじめに

第1章 遊行の旅へ

  • 釈迦の誕生
  • 沙門の道
  • 苦行
  • 悟りから涅槃へ
  • 布教の途に
  • 釈迦入滅

第2章 釈迦の基本思想

  • 4つの聖なる真理(四聖諦)
  • 戒定慧
  • 仏教の精神的世界
  • 輪廻の世界
  • 禅定の世界

第3章 釈迦の思想の展開 大乗仏教の思想

  • 教団の分裂
  • 新しい仏教運動
  • 大乗思想の展開

1 菩薩の道 自己犠牲と他者の救済・六波羅蜜 伝説的な菩薩
2 すべて存在するものは「空」である―色即是空・空即是色
3 浄土信仰と仏教の宇宙観
4 仏は我が内にあり―如来蔵思想
5 心の分析から悟りへ―心理学のような唯識思想

第4章 密教

  • 曼陀羅の世界像―仏や神々の世界
  • 即身成仏の行
  • 三密―身体・口・心による3つの行為
  • 本尊の観想
  • 現世利益
  • インド仏教その後

第5章 日本仏教の「あらまし」


1 鎮護国家と仏教―大和・奈良時代

  • 仏教伝来と権力争い
  • 中央集権国家の形成と仏教
  • 仏教の興隆―国分寺と大仏建立

2 日本仏教の基礎―平安時代 

  • 最澄
  • 空海
  • 神仏の共存と融合(神仏習合)
  • 修験道
  • 呪術の世界
  • 浄土信仰の誕生
  • 平安貴族による寺院建築

3 新しい仏教の展開―鎌倉時代

  • 浄土信仰の展開 法然 親鸞 一遍
  • 日蓮宗―来世浄土よりも現世の変革を説く
  • 禅宗―座禅を中心とする修行
  • 旧仏教の復活

4 室町・戦国時代の仏教

  • 文化に貢献した禅宗―五山文学・簡素幽玄の世界
  • 伝統仏教と新興仏教の軋轢
  • 信長による仏教弾圧

5 幕藩体制に組み込まれた仏教―江戸時代

  • 宗門改めと壇家制度
  • 儒教思想の興隆

6 明治以降

  • 神道の復活と廃仏毀釈
  • 日本仏教のその後

参考文献

索引

あとがき

本文より一部抜粋

仏教とは一体どのような宗教なのでしょうか。

それを自分なりに分かりやすくまとめてみようと思ったのが、この本を書く動機になりました。

仏教の源泉の地、インドはゼロという数字(概念)を考え出した土地です。

「空の思想」が仏教の根幹にあると考えますが、それは、このゼロの概念と通じるものがあるように思われます。

「空」とは何か、それは本書の潜在的な重要なテーマであります。

仏教の本質に触れることができれば、仏教だけではなく、多くの宗教が形骸化し、ときに政治化し、世俗化している現象の底の部分が透けて見えるはずだと思います。

最後の章、「日本仏教のあらまし」は、日本仏教の「あらまほしい」姿を考えるために、その大まかな流れを書いてみました。

なお、本書は最初から「釈迦」という名前を用いていますが、尊称として「釈迦尼」(しゃかむに)(シャカ族の聖者)とか「釈尊」があり、最近では「ブッダ」と記されることが多いようですが、我々には「お釈迦さん」という名に馴染みが深いのでこの名で統一しておきました。

(プロローグより)