自分史をつくる意味―自分史づくりで得られる7つのメリット―
自分史には、何より自分の半生を記録としてまとめて、後世に伝えるという役割があります。
しかし、自分史をつくる意義はそれだけに留まりません。
自分史を具体的な形にまとめる過程では、自己の客観的な振り返りを繰り返します。
それは、「自分とは何者か」という自己認識をより明確に持つことになります。
そして、これから先の人生の指針を見つけることにもつながります。
これらは自分史づくりを通して得られる大きなメリットであり、言い換えれば「自分史をつくる意味」ともいえます。
- 生きてきた証を残せる
自分史として記録に残すことで、自分が経験や体験から得た知識や知恵を、子供や子孫、家族、友人知人など、色々な人に伝えることができます。
本にまとめて国会図書館に納本しますと、日本国がある限りその本は保存されます。
ひょっとしたら、後世の誰かが歴史研究の資料になるかもしれません。
自分史は、自分の生きた証を未来に残すことができる記録ツールです。 - 自分をよく知ることができる
自分のことは判っているようで意外に知らないものです。
自分史づくりのプロセスで、自分の経験や体験を振り返ることは、これまでの経験や体験が今の自分に与えている影響を理解することができます。
例えば、自分にとって不本意だったと思う出来事でも、今あらためて振り返ると、その経験は結果的に後の人生の糧になっていると気付くことがあります。
失敗や挫折にもプラスの意味があることが分かれば、リスクを必要以上に恐れる必要がなくなり、人生に前向きに挑戦できるようになります。 - 生甲斐が見つかる
過去の振り返りによって、自分の好きだったことや得意だったこと、個性や強みが見えてきます。
そこから新しい夢や目標が明確になり、生甲斐を見つけられるかもしれません。
子供の頃は、好奇心のまま自分が純粋に好きなことをやっていたはずです。
好きだったこと、得意だったこと、夢は何だったかをあらためて思い出してみましょう。
そこに自分の本当にやりたいこと、生きがいを見つけるヒントがあるはずです。 - 自信、自尊心が高まる
人は普段は忘れていても、本当に多くのことを経験し体験しています。
学校生活、勉強、友人関係、恋愛、旅行、遊び、就職、社会人生活、結婚など、ちょっと考えるだけでも色々な出来事があるでしょう。
過去を振り返ることで、多くのことを経験し実践していることが再確認できれば、「色々あったけど、自分は頑張って来たのだ」と自己肯定できます。
自分に自信を持ち、自尊心を高めることで「自分の人生の主人公は自分である」ということを改めて実感し、主体性を持って生きられるようになります。 - 自分のことを良く知ってもらえる
近年の社会的な傾向として、会社や組織の活動とは別に、異業種交流会など個人で活動する人が増えてきています。
個人として活躍するには、その人の信用や信頼を高めるために「個人の存在意義の確立(パーソナルブラシディング)」が重要になります。
自分を良く知ってもらうには、「自分が何者であるか」を説明しなければなりません。
自分の過去を振り返る過程で自分の強みや弱みも明確になるでしょう。
客観的に自分を見てみることで、強みを見つけそのPR方法のヒントになります。
これは、就職活動に向けた自己分析にも応用できます。 - コミュニケーションを深められる
自分史はコミュニケーションの道具にも活用できます。
お互いを理解することは、コミュニケーションを良くするための基本です。
自分史を活用することで、相手がその人の「人物像」を理解しやすくなります。
ある大手企業では、杜内コミュニケーションの活性化に自分史を活用しているそうです。
自分史を通じたコミュニケーションは、家庭でも有効です。
両親や祖父母の半生は意外と知らないものですが、例えば両親や祖父母のプレゼントとして自分史をつくってあげるなどしますと、プレゼントとしての自分史とは別に、つくる過程でコミュニケーションを深めることができます。 - 脳を活性化できる
自分史をつくる際に、色々思い出そうと考えまとめること自体が、脳の活性化にもつながります。
最近の医学では、認知症の予防には脳のある部分を日々活用することが重要だそうです。
その意味でも、日記を書くとか自分史をまとめる作業は、脳の働きからみても非常に良いことだそうです。
脳科学者の茂木健一郎氏によると、何かを思い出そうとするときと、何かアイデアを出そうというときの脳の働きは、非常に近いそうです。
自分史づくりには多くの時間がかかりますので、長期間にわたり脳を活性化することができて、生涯学習の良いテーマにもなります。
単なる過去の振り返りに終わらない自分史づくり。
ぜひこの機会に取り組んでみられてはいかがでしょうか。
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