エッセイを書いてみる その3 ―ちょっとしたコツで、
自分が思い感じることを自由に書き綴ることができる、エッセイを書く楽しさのひとつです。
次々と書き溜めていくと、やがて「面白いエッセイが書きたい」とか「より伝わりやすいエッセイが書きたい」といった欲求が生まれてくることでしょう。
エッセイは文芸作品ですから、このような欲求が生まれるのも当然のことです。
今回は、自身のエッセイ作品を、より読みやすく、面白くするための「ちょっとしたコツ」をご紹介します。
テーマの考え方
エッセイのテーマは目の前にあります。
日々の生活で経験した出来事、テレビや新聞のニュースを見て感じたこと。
ご家族とのやり取り。
趣味や習い事を通じて得たこと。
まさに「つれづれなるままに」です。
もう一つ、エッセイのテーマには「珍しい体験」も有効です。
珍しい体験は、それだけで読者を引き付けることが期待できるからです。
といっても、そんなに奇をてらった内容である必要はありません。
旅先で出会った未体験の出来事や、風変わりな人との出会いなどは、充分に珍しい体験といえるでしょう。
ただし、これを面白いエッセイに仕上げるには、もう一工夫が必要です。
これは、もう一つの方法である「日常を独自の視線でエッセイにする」場合も同様です。
五段落構成で複数の視点を
その工夫とは「複数の視点」です。
ひとつの出来事を一つの視点だけでまとめると、事実の単調な羅列になりがちです。
複数の視線で様々な視点から出来事を見直すと、予想もしなかった見解が生まれるかもしれません。
複数の視点を持つための方法として、以前のブログでも取り上げた「五段落構成(ファイブ・パラグラム)」が役に立ちます。
五段落構成は、次のような五段落で構成されます。
序 論―導入・主張
本論①―主張の内容や理由 本論②―主張の内容や理由 本論③―主張の内容や理由 結 論―主張 |
このようにエッセイをまとめると、全体の構成がスッキリとして、読み手にも分かりやすく仕上げることができます。視点を変えるとは、この五段落構成の本論にある3パートを、それぞれ異なる視点で書くということです。
例えば、①自分からの視点 ②他人から見た視点 ③反対意見の視点のように、立場や時間を変えることで異なる視点からの意見が見えてくることでしょう。
エッセイではないのですが、分かりやすい例として食事会のお誘いというテーマで五段落構成を展開してみます。
序 論―来月の第二土曜日に、食事会をしませんか
本論①―メニューはカニすきとしゃぶしゃぶが選べます 本論②―今回、久々に帰郷する〇〇さんも参加されます 本論③―懐かしい顔を交えて、旧交を温めませんか? 結 論―たくさんのご参加お待ちしています |
本論①は食べ物という視点から、本論②は特別ゲストという視点から、本論③はコミュニケーションという視点から、それぞれ序論で述べた主張を補足しています。
そして、結論で再度主張を述べます。
エッセイの場合もこれと同じです。
異なる視点から主張を補足することで、内容に面白さが生まれるのです。