「文字組み」の悩ましさ
ご存じのとおり、日本語の文章には「縦組み」と「横組み」があります。
本来日本語は、縦書きの文化ですので、その意味では日本語の組版は「縦組み」が本筋ということになります。
とはいいながら、横組みの書籍や雑誌は巷にあふれていますし、看板などの掲示物でも横組みのものを多く見かけます。
これは、明治以降外国の文化と共に外国語が入り、これを表記するときに横書きの方が都合が良かったのでしょう。
日本で出版物に横組みが現れるのは、18世紀後半に蘭学が紹介されてからのことだそうです。
現在、自治体や学校の報告書、学術書などは「横組み」が大勢を占めます。
その一方、句集や歌集、小説などの読み物の場合は、「縦組み」が主流になります。
縦組みと横組み、どちらにするかの明確な決め事はありませんが、やはり読み物の場合は縦組みがしっくりくるように思います。
ただし何事にも例外はあって、あるお客様の自分史をつくらせていただいた際には「長年ビジネス現場で慣れ親しんだ書式で自分史をつくりたい」という強いご要望があり、A4判の横組みで制作させていただいたことがあります。
また、学術書など、本文中に外国語の原文が入ったり、数式が入る本の場合は、たとえ日本語主体の文章であっても横組みの方が相応しい場合もあります。
北斗書房では、お書きになられた原稿を拝見しながら、著者様のご意向を踏まえ最適なご提案させていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください。