エコノミック・アテンション ―「読みやすさ」を考える―
前回のブログでは「名文」ではなく、分かりやすく伝わりやすい「良文」を意識した執筆をご提案しました。
では、具体的に「良文」とはいかなるものでしょうか。
アメリカの文章作法に「エコノミック・アテンション」という考え方があります。
直訳すると「効率的な認知」つまり、読み手に余計な負担なく理解してもらうという意味になります。
文章を追っていくと自然と内容が理解できる文章、これは良文の条件といえます。
奇をてらった表現や凝った演出は必要ありません。
必要なことは、文章としての整合性や正しい言葉づかいです。
そのうえで、音読した時のリズム感、文字の並びとしての見た目が整えばなお良いでしょう。
ただし、「完成度100%の文章」は、残念ながらあり得ません。
心がけひとつで完璧な文章が書ければ良いのですが、それはかなり難しいことでしょう。
これは、執筆を生業にしている方が、このことに日々頭を悩ませていることからもお分かりいただけると思います。
私達が「完成度100%」を意識すると、逆に必要以上に気負ってしまい、書きたいことも書けなくなってしまいます。
まずは「とりあえず書く」から始めましょう。
「名文」も「良文」もひとまず脇に置いて、自分が書きたいことを、とにかく書いてみます。
ここでの完成度は、あえて問いません。
書きたいことが一通り書き上げることができたら、50%は完成したといえるからです。
ここから見直しを行うことで、書いた文章を良文に磨き上げていきます。
次回から、具体的な見直しのポイントを紹介していきます。