校正と校閲
「校閲」という言葉はご存知でしょうか。
今年の秋(2016年10月)から、これを題材にしたドラマが放送されているので、耳にされた方もおられると思います。
「校閲」と似た言葉に「校正」があります。
どちらも編集や出版、印刷業界などで用いられる用語です。
字面が似ているので、同じような意味と思われがちですが、意味は大きく異なります。
「校」の字には比べるという意味がありますから、校正は「(原稿と)比べて正す」という意味になり、一方校閲の場合は「(原稿内容の事実関係を)調べて比べる」という意味になります。
言い換えると、校正は「印刷物の校正紙が原稿どおりにできているか」であり、校閲は「その原稿に書かれていることは正しいか」を調べる作業といえます。
つまり、見るべきポイントが違うのです。
校正は、校正紙と原稿を比べ合わせて、誤植や体裁の誤りを正す作業が主となります。
文字の打ち間違いやレイアウトの不備、図表の不具合などを指摘し正していきます。
通常校正の作業は、お客様(著者)側で行うことが一般的です。
一方校閲は、著者の原稿を編集者がチェックします。
主なチェック内容は、歴史的な事実、文学や音楽などの作品名、人名、化学・科学・統計に関わる数値です。
この他にも、文章内容の矛盾や表現の誤りの指摘も校閲の範疇になります。
商業出版では、校閲は校正と共に本の完成度を決める重要な工程です。
いかに内容が素晴らしくても、事実関係に誤りや誤字脱字のある本は商品としての信用性に欠けますし、何よりその出版社のイメージダウンにもなりかねません。
「売る本」をつくる過程では必要不可欠な工程です。
自費出版であっても同様です。
校閲を経ることで内容の正確性が高まり、より完成度の高い作品に仕上がります。
北斗書房でも専属の校正士がおり、原稿の校閲や添削も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。
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