洛中徒然 その7:祇園祭と山鉾

7月に入ると、夏の京都は祇園まつり一色に染まります。
提灯に灯がともり、コンチキチンのお囃子が聞こえてくると、四条通界隈は山や鉾が立ち並び、全国から集まる老若男女で大変な賑わいを見せます。

京都の夏の風物詩ともいえる祇園祭は、千年以上の歴史を持つ伝統ある祭礼で日本三大祭のひとつに数えられています。
例年7月1日から31日までの一か月間にわたり、京都市内の各所で様々な神事が行われますが、その中でも、10基の鉾と23基の山が京都市内を巡る「山鉾巡行」は祭りの見どころのひとつです。

祇園祭の歴史は古く、869(貞観11)に疫病退散を願って行われた御霊会が起源とされています。
この行事は後に「祇園御霊会」と呼ばれ、当初は国家が営む神事でしたが、徐々に町衆の手によるお祭りへと移行し、現在の「祇園祭」へと受け継がれています。
御霊の怒りを鎮めるための行事だった祇園御霊会は、その精神を保ちながら現在の祇園祭に受け継がれています。山鉾巡行が現在のような姿になったのは、南北朝時代(1336~1392年)の頃といわれています。

山鉾巡行を表すものとして「小雨決行、大雨強行」という言葉があります。実は山鉾巡行が中止されたことは過去にあまり例がありません。最近ですと、2015年は台風接近のなか山鉾巡行が行われたことが、まだ記憶に新しいことと思います。
こんなところからも、先人から受け継がれた伝統を守ろうとする京都人の粋を感じます。

山鉾の歴史は火事との消失と復興の歴史ともいえます。応仁の乱以前は58基あったと伝えられる山鉾は、度重なる大火や戦乱により消失と復興を重ね、現在巡行している山鉾は、前祭と後祭を合わせて33基です。
この他に諸事情により巡行に参加せず「居祭」を行っている「休み山」が2基あります。そのうちの1基「鷹山」では、居祭として宵山期間中の会所で御神体(鷹匠、犬飼、樽負)3柱が飾られています。そのうちの「樽負」には、粽を食べる所作の「からくり」があったといわれています。

居祭ではこの他にも、禁門の変で焼け残ったお囃子の鉦4丁、皆川月華から寄贈された見送り「染彩猛禽之図」も飾られています。

はるか昔から、中断と復興を繰り返しながら現在に受け継がれる祇園祭。その歴史には京の町衆の矜持と気概が込められているともいえます。
そんなことに思いを馳せながら、宵山を散策してみてはいかがでしょうか。

鷹山復興寄付金のご案内

鷹山では、文政9(1826)年の最後の巡行から200年目にあたる2026年を目途に復興の準備が進められています。
重要無形民俗文化財の復興には莫大な費用を要するため、復興を進められている公益財団法人 鷹山保存会では、一口1000円単位で寄付金の募集を受け付けておられます。

 【お問い合わせ先】公益財団法人 鷹山保存会
  〒604-8203 
  京都市中京区三条通り新町東入る衣棚町41 山音株式会社内 
  電話:075-221-3355

8月度自費出版相談会のお知らせ

予約制ですので「ゆっくり」「じっくり」ご相談いただけます。
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日時:

①  8月4日(金)/画集・写真集

②  8月18日(金)/句歌集・エッセイ 

③  8月19日(土)/画集・写真集 

④  8月26日(土)/句歌集・エッセイ

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